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革靴を履く前のお手入れとは?プレメンテナンスが必要な理由と方法を解説

革靴を履く前のお手入れとは?プレメンテナンスが必要な理由と方法を解説

こんにちは!えでん(@shiru_toku)です。

革靴の手入れを調べていて、プレメンテナンスという単語を目にしたことはありませんか?革靴を履く前のお手入れのことですが、何をするのかさっぱりな人も多いはず。そこでこの記事では、手順やなぜプレメンテが必要なのか、どんなメリットがあるのか解説します。また、革靴に関する素朴な疑問についても合わせてお答えしていきます。革靴を長く履くためにも、ぜひ参考にしてください!

本記事の内容

  • 革靴を履く前のお手入れとは?
  • プレメンテナンスの手順
  • 革靴を履く前にお手入れする理由とメリット
  • 革靴のキズはなぜできる?
  • 革靴は何足で回す?
  • 革靴の買い替え時は?
  • まとめ

革靴を履く前のお手入れとは?

革靴を履く前に行うお手入れをプレメンテナンスといいます。プレメンテナンスは新品の靴を履き下ろす前に1度だけ行なう手入れのこと。プレメンテナンスを行わずに靴を履いてしまうと、足の甲にできたシワがクラック(ひび割れ)となってしまうことも。最悪の場合は修理が必要になることもあるんです

ちなみに革靴のお手入れは3種類あります。革靴を履く前のお手入れ、プレメンテナンス。毎日履き終わったあとのデイリーメンテナンス、定期的に行なうフルメンテンナスです。何も手入れしないのと比べ、どれか一種類だけでも行なうのが長持ちのコツ。日頃から掃除しておくと大掃除が楽なように、日頃のお手入れをしておくと定期的なフルメンテナンスにも良い影響があります。

プレメンテナンスの手順

革靴を履く前のお手入れとして、どんなことをする必要があるのでしょうか?結論から言うと、目的は通常のお手入れのように水分や栄養分を補給すること。プレメンテナンスといっても何も特別なことをするわけではありません。強調しますが、汚れを落としてクリームを塗るだけです。

プレメンテナンスは具体的に次の手順で行っていきます。

  1. シューキーパーを入れる
  2. ブラッシング
  3. 汚れ落とし
  4. デリケートクリームを塗る
  5. 靴クリームで靴磨き

プレメンテナンスの手順 その1:シューキーパーを入れる

まずお手入れを始める前に、靴ひもを外してシューキーパーを差し込みます。靴ひもを通す穴(シューホール)周りの革もお手入れするため、靴ひもを外します。また、シューキーパーを差し込むことで足の甲部分やかかとが張ります。ブラシがけやクリームの塗布などお手入れがしやすくなります。

革靴を履く前のお手入れだからこそ、隅から隅まで行なえるのがベストです。なお、シューキーパーは日頃の革靴ケアの必需品。シューキーパーは日常的な靴内の臭い、型崩れを防げます。これから革靴を新調する場合、一緒に用意すると何かと便利です。

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プレメンテナンスの手順 その2:ブラッシング

ブラッシングは革表面についた汚れ(ホコリ、塵)を落とす作業です。新品とは言え、長く流通している間に細かな汚れがついていないとは言えません。汚れやゴミが付いたまま、靴クリームを重ね塗りをすると、汚れを閉じ込めたりクリームが乗らなかったりします。ホコリは革の水分を奪い、乾燥の原因となってしまうため靴の長持ちにブラッシングは欠かせません。

馬毛ブラシは毛が柔らかく、革を傷付けずに表面の汚れを落とすことが可能です。靴の表面と底の境目にもしっかりと差し込んで汚れを払います。

プレメンテナンスの手順 その3:汚れ落とし

ブラシで靴表面の汚れを払ったら、革靴用の汚れ落としクリーナーを使います。靴の汚れや古いクリーム、ワックス分を落とします。お化粧でいう、クレンジングです。クロスを指に巻き、小指先くらいのクリーナーをクロスにとります。ここで、クリーナーを靴に直接つけるのはNGです。シミになる恐れがあるため、必ずクロスに付けてから塗布してください。

ガシガシとこすらず、円を描くように汚れを取っていきます。ブラシで取り切れない汚れをムラなく落としていくイメージです。使用する面が汚れたら、面を変えて全体をくるくると汚れ落とししましょう。

プレメンテナンスの手順 その4:デリケートクリームを塗る

乾燥した革に潤いを与えるのがデリケートクリーム。乾燥した手に使うハンドクリームと同じ役割を果たします。そんなデリケートクリームは2~3分置くのが一般的です。浸透させるためにと長く置いてしまうと、ムラとなってしまうことがあります。

効果的に浸透させるためにもブラシを押し付けるようにデリケートクリームを塗るのがポイント。靴クリームと同じように、あとでブラシがけをしてクリームを馴染ませましょう。また、デリケートクリームの付けすぎは革へのダメージにはなりません。必要に応じて2度塗りなどしてみてください。

なお、靴内側の革部分にもデリケートクリームを塗ることで、足馴染みが良くなったり靴ずれしにくくなったりします。

プレメンテナンスの手順 その5:靴クリームで靴磨き

乳化性のクリームを少量取り、靴全体に塗り広げていきます。ポイントは円を描くように塗ること。革靴表面の毛穴に対して均一に靴クリームを馴染ませることができます。甲の履きジワが入る部分にしっかり塗り込んであげましょう。靴が一番曲がるところにしっかりと栄養補給をすると、長持ちにもつながります。

クリームを全体に塗布したら、次はブラシをかけてクリームを馴染ませます。ここで使うのは豚毛のブラシです。土のグラウンドをトンボでならすのと同じイメージで、シャカシャカとリズミカルにブラシをかけていきましょう。ブラッシングの摩擦熱で革に浸透していきます。靴表面と底の間(側面)もしっかりとブラシをかけます。

靴クリームを馴染ませたら、最後に乾拭きします。いわゆる靴磨きの部分です。布で余分なクリームをクロスなどで拭き取ります。つま先とかかとは特に丁寧に磨き込みます。つま先とかかとはシワが入らない部分であり、靴磨きによるツヤを最も主張できる部分です。

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革靴を履く前にお手入れする理由とメリット

革靴を履く前にお手入れする理由:

考え方としては購入した段階では、製造されて時間が経っているので、革が乾燥している。→デリケートクリーム等で革の保湿性を高める。
仕上げのクリームが古くなっている。→仕上げクリームをクリーナー等で取り除く。新しいクリームを入れたり油分を入れて柔軟性を高める。

革靴を履く前にお手入れする理由:

新品の革靴はお手入れが必要な理由ですが、それは「靴の痛みが早くなってしまうのを防ぐため」というのが答えとなります。ではなぜ新品の革靴をそのまま履いてしまうと痛みが早いのでしょうか。
それは、革靴が製造された段階で塗布されていたクリームやワックスが、私たちの手元に来るまでの間に劣化していたり、落ちて しまっているからなのです。いくら新品とはいえ、工場から出荷され店頭にならび、購入されるまでは時間がかかります。この間に革靴の表面は外気にさらされ乾燥し、場合によっては擦れていることからクリームやワックスは劣化したり剥がれたりしています。この状態は、もはや製造された直後の新品とは言い難い状況になっているということなのです。つまりこれを製造直後の状態にするというのが、新品の革靴に対して必要なお手入れということになるのです。

革靴を履く前にお手入れするメリット:

革靴を履く前にお手入れするメリット:

革靴のキズはなぜできる?

革靴のキズは、革表面の乾燥が原因で起こります。僕たちも手が乾燥していると切れやすいです。革靴も同じように、乾燥しているとうっかりぶつけたり歩き方の癖でキズになります。また、思いがけず壁に擦ったりしてもキズとなってしまいます。

しかし、履き始めのキズにはプレメンテナンスで防ぐことができます。日常のキズも定期的な靴磨きでケアをしましょう。また、冬場は人と同じです。保湿に気をつけていても乾燥しやすいため注意が必要です。靴磨きの頻度は、10回履いたら1回行うのが良いです。時間がないときにはデリケートクリームを塗るだけでも良いです。長持ちのためには手間は欠かせません。

革靴は何足で回す?

結論からお伝えしますが、革靴のローテーションは3足で回すのがお財布にも靴にも最適と言えます。

足からは毎日コップ1杯分の汗が出ていると言われています。汗をたくさんかいた日は、靴の内もジメジメしますよね。それだけに限らず、汗はイヤな臭いやカビ・水虫の繁殖などの原因になるんです。しかし、靴の中は陰になっていて乾きにくいことも事実です。短くても丸1日は乾燥させないとジメジメなままです。

1足履いたら、その靴は2日休ませてから履くというローテーションです。なお土日はローテーション日に当てず、省きます。すると、一日も被ることなく履き回すことができます。革靴を長持ちさせるためにも、導入してみるのもいいかもしれません。

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革靴の買い替え時は?

革靴の寿命は一般的に、1万円以下の革靴では2年~4年と言われています。製法によっては靴底の全体を張替えることにより、20年履けるモデルも存在します。しかし、履き方や手入れの仕方によっても前後してきます。履いている革靴に次のような症状が現れてきたら買い替えのサインです。

  • 靴表面のひび割れ・凹み
  • 雨シミが消えない
  • ソール(靴底)がすり減った
  • つま先が反り返ってきた
  • 踵の内側に擦り跡ができた

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まとめ