こんにちは!えでん(@shiru_toku)です。
革靴のメンテナンスで欠かせないのが靴磨き。いざやってみようにも、靴クリームの塗り方が分からない。初心者あるあるです。今回は靴クリームの塗り方や適量、乾燥時間について順番にポイントを交えて解説します。ぜひ最後までご覧ください!
本記事の内容
- 靴クリームの塗り方
- 靴磨きの手順と道具
- デリケートクリームの放置時間は?
- 靴磨きの乾燥時間はどれくらい?
- 靴クリームの油性と乳化性の違い
- 靴クリームを塗りすぎるとどうなる?
- まとめ
靴クリームの塗り方

ここでは靴クリームの塗り方にフォーカスして順番に解説していきます。ちなみに、乳化性クリームを使用する想定で進めていきます。
- 靴クリームを塗る
- 豚毛ブラシで整える
- 乾拭きする(靴磨き)
靴クリームの塗り方 その1:靴クリームを塗る
乳化性のクリームを少量取り、靴全体に塗り広げていきます。指で塗る方もいますが、指を汚したくない、より丁寧にお手入れをしたい方にはペネトレイトブラシがおすすめです。僕も使っていますが、細かいところまでしっかりと塗ることができます。
つま先やかかとにクリームを置いたら塗り広げていきます。ポイントは円を描くように塗ること。革靴表面の毛穴に対して均一に靴クリームを馴染ませることができます。塗り広げてみて、足りないと思ったらその都度足していきましょう。こうすることで塗りすぎを防ぐことができます。
また、甲の履きジワが入る部分にしっかり塗り込んであげましょう。靴が一番曲がるところにしっかりと栄養補給をすると、長持ちにもつながりますよ!
靴クリームの塗り方 その2:豚毛ブラシで整える
クリームを全体に塗布したら、次はブラシをかけてクリームを馴染ませます。
ここで使うのは豚毛のブラシです。毛の硬い豚毛ブラシを使用することで、毛穴の一つ一つにしっかりとクリームを馴染ませることができます。土のグラウンドをトンボでならすのと同じイメージで、シャカシャカとリズミカルにブラシをかけていきましょう。ブラッシングの摩擦熱で革に浸透していきます。靴表面と底の間(側面)もしっかりとブラシをかけます。
ちなみに靴磨きで光沢(ツヤ)が出るのは、表面が均一に平らになるから。ダイヤモンドも鏡も表面が均一に平らなので、つやが出たり鏡面になったりします。このブラッシングを行うことで表面が均されてきれいなツヤにつながります。
靴クリームの塗り方 その3:乾拭きをする(靴磨き)
靴クリームを馴染ませたら、最後に乾拭きします。いわゆる靴磨きの部分です。布で余分なクリームをクロスなどで拭き取ります。靴表面に余分なクリームが残っていると、ホコリが付きやすくなり劣化の原因となってしまいます。また、仕上がりの光沢にムラができてしまう原因にも。
つま先とかかとは特に丁寧に磨き込みます。つま先とかかとはシワが入らない部分であり、靴磨きによるツヤを最も主張できる部分です。
道具は汚れ落としで使用したものと同じでも構いませんが、きれいに仕上げるのであれば専用に用意する方がベターです。クロスの目が細かいほどつやが出ますが、安価だと綿(コットン)のクロスが使いやすく簡単に良いツヤが出せます。また、手を入れられるグローブタイプは革靴のつま先やかかと部分が包みやすいです。作業のしやすさを求める方にはこちらがおすすめ。
靴磨きの手順と道具

靴磨きの手順と、あったら便利な道具を紹介します。靴の手入れ、特に靴磨きはお化粧にも例えられますが、優しいケアが重要です。ブラッシングから靴磨きに至るまで、ありがちな失敗をしないためのワンポイントも添えて説明していきます。それではいきましょう!
※4~6の工程は先の靴クリームの塗り方を参照してください。
- シューキーパーを入れる
- ブラッシング
- 汚れ落とし
- クリームを塗る
- クリームを馴染ませる
- 靴磨き
靴磨きの手順と道具 その1:シューキーパーを入れる
靴磨きの前に、まずは靴にシューキーパーを入れます。シューキーパーを入れると形が整えられます。履いたときにできるシワもしっかり伸ばされることで、革の隅から隅までケアができます。靴磨きでシューキーパーを入れる際は、必ず靴紐を外しましょう。シューホール(紐の穴)周辺、シュータンもクリームを塗布したり磨いたりするためです。
シューキーパーは日常的な靴内の臭い、型崩れを防げます。革靴を長く履くために一つは持っておきたいアイテムです。
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靴磨きの手順と道具 その2:ブラッシング
ブラッシングは革表面についた汚れ(ホコリ、塵)を落とす作業です。外を歩いた革靴は、表面に目に見えないゴミやホコリが付いています。汚れやゴミが付いたまま、靴クリームを重ね塗りをすると、汚れを閉じ込めたりクリームが乗らなかったりします。ホコリは革の水分を奪い、乾燥の原因となってしまうため靴の長持ちにブラッシングは欠かせません。
馬毛ブラシは毛が柔らかく、革を傷付けずに表面の汚れを落とすことが可能です。靴の表面と底の境目にもしっかりと差し込んで汚れを払います。靴磨きに限らず、玄関に常備して帰宅後などにブラッシングをしておくと常にきれいな状態に保てるためおすすめです。
靴磨きの手順と道具 その3:汚れ落とし
ブラシで靴表面の汚れを払ったら、革靴用の汚れ落としクリーナーを使います。靴の汚れや古いクリーム、ワックス分を落とします。お化粧でいう、クレンジングです。クロスを指に巻き、小指先くらいのクリーナーをクロスにとります。ここで、クリーナーを靴に直接つけるのはNGです。シミになる恐れがあるため、必ずクロスに付けてから塗布してください。
ガシガシとこすらず、円を描くように汚れを取っていきます。ブラシで取り切れない汚れをムラなく落としていくイメージです。使用する面が汚れたら、面を変えて全体をくるくると汚れ落とししましょう。過去にワックスを塗った部分があれば、重点的に行いましょう。ステインリムーバーはシミになりにくく、初めての方も安心して使えるのでおすすめです。
靴磨きの手順と道具 その4:クリームを塗る
靴磨きの手順と道具 その5:クリームを馴染ませる
靴磨きの手順と道具 その6:乾拭きをする(靴磨き)
デリケートクリームの放置時間は?

乾燥した革に潤いを与えるのがデリケートクリーム。乾燥した手に使うハンドクリームと同じ役割を果たします。そんなデリケートクリームは2~3分置くのが一般的です。浸透させるためにと長く置いてしまうと、ムラとなってしまうことがあります。
効果的に浸透させるためにもブラシを押し付けるようにデリケートクリームを塗るのがポイント。靴クリームと同じように、あとでブラシがけをしてクリームを馴染ませましょう。また、デリケートクリームの付けすぎは革へのダメージにはなりません。必要に応じて2度塗りなどしてみてください。
靴磨きの乾燥時間はどれくらい?

靴磨きをキレイに仕上げるために大事にしたいのが乾燥時間。クリームを塗ったあと、どれくらい乾燥させるのが良いのでしょうか。一般的には、靴クリームを塗ってから5~10分ほど待ちます。待ったあとでブラシをかけて馴染ませていきましょう。
10分以上の乾燥はクリームそのものの乾燥につながり、かえってブラッシングが大変になってしまうため注意が必要です。
クリームは塗ってすぐに浸透するわけではありません。荒れた手指にハンドクリームを塗ってからも待つように、革にクリームを浸透させるのにも時間が必要。クリームには栄養分が入っていて、革のコンディションを保つのに重要なんです。
靴クリームの油性と乳化性の違い

ここからはちょっとマニアック。実は靴クリームには油性と乳化性の2種類があります。油性と乳化性の違い、特徴について見ていきましょう。それぞれの違いを知ることで手入れの幅を広げることができますよ!
油性と乳化性の違い
- 油性:主成分は油分と蝋(ろう)。革の栄養補給ができ、簡単に光沢を出せる。
- 乳化性:主成分は水分・油分・蝋。革の保湿・栄養補給ができる。
購入する際は、ぜひ裏面の表示ラベルを確認しましょう。乳化性か油性のどちらなのかしっかり確認することができますよ!
靴クリームの油性と乳化性の違い:油性クリームの特徴
油性クリームは主成分が油分です。油分によって革に被膜を張ることができます。この皮膜は、より強く光沢を出したり革に防水効果を与えたりすることができます。
一方で油性クリームは水分が含まれていないため、革表面が乾燥しやすいデメリットも。乾燥は、革が固くなったりひび割れてしまったりする原因になります。また、塗りすぎると革が柔らかくなりすぎたり、色ムラになったり。したがって、定期的にクリーナーを使った汚れ落としや塗り直しが必要です。
おすすめの手入れ方法はデリケートクリームで革に水分を与えてから、油性クリームでツヤを出していくこと。革靴の手入れというより、靴を磨く行為を楽しみたい方向けのクリームです。
靴クリームの油性と乳化性の違い:乳化性クリームの特徴
乳化性クリームには水分が含まれています。革に適度な水分が入ることで繊維がほぐれ、柔軟性を与えることができます。また、蝋による自然なツヤを出すことも可能です。柔軟性を持つことで革を乾燥やひび割れから防ぐことができ、靴を長持ちさせることにつながります。
水分は革を適度にふやかすことにつながります。適度にふやけると革表面の毛穴が開き、革の奥まで栄養分や蝋を浸透させることができます。乳化性クリームを使えば、保湿とツヤ出しの両面で高い効果を上げることが可能。革にも優しく、初心者向けのクリームと言えます。
靴クリームの油性と乳化性の違い:靴クリームを塗り意味とは?
そもそもですが、靴クリームを塗る意味・役割は次のようなものがあります。
- 皮革に栄養を与える
- 靴に光沢(ツヤ)を出す
- 汚れを付きにくくする
- キズを守る
靴クリームに含まれる~といった成分は、革に栄養を与えてくれます。革はそのままにしておくと乾燥や汚れで劣化してしまいます。また、皮革は切り離されたものであるため外側から栄養をあげないとコンディションを保てません。
靴クリームを塗りすぎるとどうなる?

靴クリームの適量を超えるとどんな影響があるのでしょうか?クリームの塗りすぎは革靴のトラブルの元です。具体的に言うと…
- 革の通気性を損ねる(蒸れやすくなる)
- 革表面が粉を吹いたように白くなる
- 靴クリームが酸化して、靴のひび割れ原因になる
- 磨いたときに光沢が出ない
- カビが生えやすくなってしまう
特に表面が白くなってしまうのは、靴クリームに含まれる油分やロウ分。この2つが革に浸透しきらないと乾燥して白くなってしまいます。もし塗りすぎてしまったと感じた場合は、すぐに布で拭き取ります。その後はいつもより念入りにブラッシングし、クリームを隅々まで浸透させましょう。それでも表面に残ってしまう場合、クリーナーによる汚れ落としから手入れをし直しましょう。
まとめ
今回は靴クリームの塗り方について解説しました。靴磨きの手順・ポイントは次の通り。
靴磨きの手順
- シューキーパーを入れる
- ブラッシング
- 汚れ落とし
- クリームを塗る
- クリームを馴染ませる
- 靴磨き
靴クリームの塗り方:ポイント
手順・ポイントを押さえて靴磨きを楽しみましょう!